
「どうだ!」
ふいに思いついて。
行儀悪く(人の事は言えないが)、ソファに仰向けに身体を預けたまま、新聞を読んでいた大人の頭を撫でた。
「・・・何がだい?」
若干不思議そうな顔をした男に、
「悔しくないか?こーんな子供に頭撫でられて。」
ニヤリ、と。
いつもからかった風に、お子様扱いのように頭を撫でられるのが癪に障って、意趣返しに、と撫でてみた。
「いや。別に。」
「何でだよ。」
特段気に留めた様子もない大人。
滅多にない見下ろす角度も、優位に立ちたがる男には屈辱的なんじゃないかと思うのに。
「解ってないな、君は。」
「何をだよ。」
バサ、と読んでいた新聞を閉じ、
サラリ、と彼の顔の近くで揺れているオレの三つ編みのしっぽを撫でる。
怪訝な顔をしたオレに、クスリと笑って問いには応えず。
「もっと。」
「もっと、ってホントに子供かよ、アンタ。」
滅多に無い子供っぽい言い方で言われると、
人に言わせると長男気質らしい部分が無下に出来ず、
でも優しくなんて出来る筈もなく、少々乱暴に黒髪をクシャリ、と撫でた。
「ん。」
そんな動作でも、気持ち良さそうに笑みを浮かべて。
「・・・。」
本当に幸せそうに身を委ねた男を見て。
何だか解った気がした。
2006/12/17日記