「中尉、コレなに?」
「着物と言って、シン国より東の国の民族衣装よ。」
「ふぅん。でもどうしたの?コレ。」
「その国に縁ある人が、前に軍にお世話になった御礼として送って下さったのよ。」
「へぇ。で、何でオレが着させられてるの?」
「サイズが小・・・サイズが合いそうだったし、この色がエドワード君に似合いそうだったから。(にっこり)」
「・・・そう(照)?」
「えぇ。良く似合うわ。ほら出来上がり。」
「ありがと。へぇ、紐だけで着るんだ。」
「そうねぇ、不思議ね。」
「なぁ、大佐は着ねーの?」
副官と仲良し姉弟のように会話していた少年が、クルリ、とこちらを向く。
「仕事中は動き辛いからね。午後から非番だから、後で着るよ。」
「・・・あれ?」
トテテと歩き辛そうにこちらにやってきて、私の顔を覗き込む。
「っ、何だね?」
「・・・顔赤くねぇ?仕事中とか言って、もう酒食らってんじゃねぇの?」
「失礼な。いつもこんなに真面目な私に酷いね。」
「誰がだよ。丁度良いじゃん、今年の抱負にしろよ。」
「君の場合、抱負、じゃあ背は伸ばせくて大変だな。」
「誰がご来光も届かない程のドチビか!」
そんないつものやり取りをしながら。
副官と話して居た時の伏目がちな瞳とか。
髪を普段の三つ編みから、ポニーテールにしている為に覗く項とか。
襟元から覗く鎖骨とか。
いつもと違う様子の彼に、いい歳して少し動揺した、なんて。
機嫌を損ねた彼を宥めて。
お正月休みでいつもとは違い人が少ない商店街なら、
きっと文句を言いながらも手くらいは繋いでくれるだろうか。
ダメでも攫って。
逃げられたら心地よい追いかけっこをして。
捕まえて。
そして二人でゆっくり新年のお祝いをしよう。
願わくば、翌年もその次の年も、こんな風に一緒に居られたら。
2007/01/03日記