「はぁー、食った食った・・・」 夕食後、子供は食器を洗い終えてソファにダイブした。 「君、食後にすぐ寝ると牛になるらしいぞ」 それを見ていた大人が部下に聞いた小咄を披露する。 「なる訳ねーじゃん」 「太る、と言う意味だそうだよ」 あぁなるほど、と変わらずソファに寝そべったまま子供は頷いた。 「オレは体重増やしたいし構わないからいーや」 子供はしばらく考えた後、ゴロゴロとクッションにじゃれる。 「脂肪が付いても良いのかい?」 からかうように大人が言うと。 「オレ若いから燃焼するし。アンタはヤバいんじゃね?」 ニヤ、と意趣返しのように金瞳が黒耀石を見やる。 「・・・君はそのまま寝ていてくれ」 「おう」 しばし沈黙した大人に、勝った!と子供は愉快気に仰向けに伸び、食後のうたた寝をしようと目を閉じた。 一瞬後、視界が暗くなった。 気を利かせて大人が明かりを落としてくれたんだろうか、と子供はうっすら目を開けると思った通り、室内の照明が落ちていた。 が。 暗さの正体は他にもあった。 「・・・アンタ何してんの?」 「寝ていてくれ、と言ったが?」 子供に覆い被さる大人の影。 「そうじゃなくて」 「君と違って新陳代謝の悪い私はソレ相応に運動しないとね」 ニヤリと笑う黒耀石。 「は?!」 「寝ていて、構わないよ?」 スルリと仰向けの子供の衣服を捲る。 「ちょ、ちょっと待て!」 「一緒に運動してくれるのかい?」 「するか!」 「うん、だから寝ていて構わないよ」 一人で頑張るから、と大人は抵抗を始めた子供の手を抑えつけて、現れた胸に唇を落とす。 「んっ! っと、コレで寝てられる訳ないだろうが!」 「じゃあ一緒に寝るか動こうか」 「寝るの意味が違う!っつーかどっちも同じじゃねぇか!」 喚く子供に静かにしなさい、とばかりに大人は口付けて。 「寝る子は育つ、と言う言葉もあったな。大人にしてやろう」 「だから意味違うっての!しかも今更・・・あっ」 暗転。 翌朝、満腹感でいっぱいな大人が血色良く出勤していった。
2008/11/18携帯日記
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2008/11/22