おつかれさま。


「うっわ、凄い量」
「鋼の」

執務室を訪れると、年末進行のせいか膨大な量の書類に囲まれた男が居た。

「何これ、全部今日やるの?」
「まぁね」
男は苦笑するように笑った。
が、その顔に疲れが見て取れる。
「何日目?」
「・・・・・・・・・・・・・どうだったかな」

缶詰になって何日目か問うてみると、男はしばらく考えた後、はぐらかすでもなく日付が分からなくなっていたようで困惑の表情を浮かべた。


「・・・疲れてる?」
「鋼のの顔を見たら吹き飛んだかな?」
少し心配になって問うと、ニコリ、といつもの胡散臭い笑みで言う男。
「今更カッコ付けても仕方ねぇだろ」
「酷いな。本当なのに」
君につまらない嘘はつかないよ、と笑う男に近づいて、じっと見る。
「なぁ」
「何だ?」
「・・・疲れてる?」
「・・・」
「大佐」

「・・・疲れてる」

コテリ、と肩口に頭を落とした男に。

「ったく、ウソツキが」
「嘘を付くつもりはないよ。・・・好きな人の前で情けないのがイヤなだけだ」
「いっつも情けないんだから気にすんなよ」
そう言って、黒髪を撫でる。
それに安心したかのように、細く長い息を付く男にこちらも安心する。
「そうかね」
「そうだよ」
「・・・では、もう少し」
「ん」
腰に手を回して、本格的に凭れかかって来た男の頭を抱えて・・・嬉しくなる。


いつだってコッソリ頑張っている大人の、疲れた時には疲れた、って言って貰える位の存在でありたい。


***


「鋼の・・・」
「ん」
「鋼のー」
「ん?」
「癒しのキスも・・・」
「調子に乗ってんじゃねぇ!」


ちゃんと叱れる位の立場でもありたい。
そんな冬のある日。


2008/12/02日記

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これ、書いた時のタイトルが「突発過ぎてタイトル思い付きませんSS」でした(笑)。
何か凄い疲れて居た時に「エドに癒してもらいたい・・・」とか思いながら
書いた作。
アップするまで時が経っていて(すみません・・・)、
今この時(アップ用編集時)までタイトル決まらずに、ずっと「突発」のアレ、と呼んでいました(笑)。

2009/03/24