「さっみぃーーー」 「風が冷たいな」 「誰のせいでこんなトコ並んでんだよ!」 「私だけのせいではないと思うが?」 ギロリ、と子供に睨まれた。 遡る事一時間前。 休憩時間に司令室にてゲームが流行っており、ちょうど帰還中のエドワードも加わっていると聞き、自分もさりげなく加わった。 今日の罰ゲームは「超人気のトントン亭の豚まん」を並んで買ってくる事、だった。 因みに最下位二人組でドリンクも調達、と言うオプションが付いていた。 「ったく無能呼ばわりイヤならイカサマしてでも勝てよ!」 「君こそ普段の悪知恵はどうしたね?」 「っ、くっそーー」 エドワードも負けた為、ここにいる訳だが。 ・・・イカサマして、2人で来られるようにした訳だが。 「はー、あと何分並べば良いんだ」 イライラしながらも寒いのかピョンピョンと小さく跳ねる身体にさり気なく風除けになってやる。 「そうそう、初デートで並ぶ時間が長い場所に行くと別れやすい、と言う噂を知っているかね?」 「はぁ?デートじゃねぇし」 「まぁまぁ」 再びキロリと睨まれるのに笑って。 「んなの、知らねー」 「何でもまだ良く知らない2人だから、会話の間が保たないそうだよ」 「ふーん。まぁ別にデートに限った事じゃねぇんじゃねぇの?」 「まぁそうだがね」 「別に大佐とも殆ど会わないから知らないし、共通の話題があるワケじゃないし」 だからアンタと合わねーんだよ、とイタズラっぽく笑う子供。 「つれないなぁ」 「つれてたまるか」 「まぁ逆に行列を楽しく過ごせればうまくいくみたいだぞ」 「アンタとはないな」 ハッ、と笑って言う子供。 「そうかね?」 「そうだよ」 「私は楽しいけれどね」 「アンタは人をからかうのが趣味だからだろ!」 「趣味じゃない」 「ウソつけ」 「生きがいだ」 「そっちの方がタチ悪ぃ!」 「そうかな?」 「そうだよ」 「人生楽しく過ごせて良いじゃないか。と言う訳で君と話すのは楽しいがね」 「それ、字面の上では良さそうな事言ってるけど、非常に迷惑極まりない内容だよな」 「そう言う所も好きなんだがね」 「オレはアンタのオモチャじゃねぇ!」 「オモチャだなんて思っていないよ」 「どうだか」 「うん、思っていない。・・・君は、」 「・・・君は?」 「−−−はいっ、次のお客さん!豚まんいくつかい?」 「え?」 急に声をかけられ、子供は振り返った。 「案外早かったな。回転良いのかな」 「かもな」 大量の豚まんを抱え、また帰り用、と一つだけ別包装にして貰った豚まんをくわえて子供が言う。 こちらは大量のドリンクを持って、チラリと街頭の時計を見た。 行きの時より一回り進んだ時計。 笑みが浮かぶ。 「君といると時間がとても短く感じるよ」 金色のつむじを見ながら小さく呟く。 酷く楽しくて、ずっと続けば良いのに、と思ってしまう。 「?なんか言った?」 「いや?」 「はー、早く帰ろうぜ」 「そうだな」 ピョンピョンと跳ねる三つ編みを追って帰路についた。
2009/03/15携帯日記
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2009/04/26