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子供を眺めていると。
パラリ。
パラリ。
うつら。
パラリ。
うつら。
うつら。
パラリ。
引き続き眺めて。
パラリ。
うつら。
うつら。
うつら。
パラリ。
うつら。
---ゴン。
「〜〜ってぇ!」
大人はおもちゃみたいだなぁ、と思った。
「いってーーー・・・あぁもう・・・」
「もう寝たらどうかね?」
分厚いハードカバーの本に見事にダイブして、そこそこに痛かったらしいオデコをさすりながら子供がキッと睨んで来る。
「未だ眠くねぇし!」
「・・・そうかね?」
子供扱いされた、と癪に触ったのか、子供は背を向けて本を抱え込む。
再びページを捲りはじめて。
パラリ
うつら。
ゴン。
「っ」
ビクリとして、ガバと起き上がる。
慌ててこちらを見て。
「〜〜〜っ、これはだな!」
「何も言っていないが?」
本当、おもちゃのような動きをする子供だなぁ、と眺めると、先手を打とうとして墓穴を掘った子供があぁでもないこうでも無い、と言い訳めいた事を口にした。
「とにかく! オレは読書してるんだから邪魔するな」
「寝ないと育たないぞ」
「うるせぇ!」
言い返すも、瞼が重いのかくっきりとした意志の強そうなつり目の二重が、三重になっている。
「・・・無理しないで寝たまえよ。眠いのだろう?」
ス、と本を彼の腕から抜き取ると、取り返すように腕を伸ばして来た。
「大丈夫だっての!」
「そんなに寝たくないのかね?」
「おうよ!」
「なら、」
「うん」
さぁ本を返せ、と突き出して来た手を握り、力強く引き寄せる。
「---なら、抱くよ?」
「!」
耳許で声を低くして言うと、子供は先程目覚めた衝撃とは別の意味でビクリと身体が震えた。
「眠く無いのだろう? ならば私に付き合って、」
ベッドの上で起きていようじゃないか、と顔を近付けると。
「寝ます! 眠いです! お休み!」
子供は脱兎の勢いですり抜けて行った。
大人の掌には本。
読書から睡眠へシフトしてくれたのは喜ばしい事だが。
「ちっ」
捕獲失敗したか、と小さく呟きながらも愉快そうに笑った大人が一人。
2009/03/27携帯日記
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