国破れて山河あり。


※ホーエンハイムSSです。


トリシャ、君に出会って俺は変わった。


長い時間を生きて来て。

幾つの時を繰り返しても朽ちない身体。
最初は足掻いたけれど、それはやがて仕方ない事だと、思うようになっていった。

俺を置いて移り変わる時代と季節の中で。
人の生死も、ただ眺める風景のように思うようになっていった。
悲しみも感慨もなく、ただ仕方のない事だと。
花が咲いてやがて枯れるように。
ただただ繰り返す自然の理のように、ただ、眺めていた。
俺も、何も感じない、風景の一部になっていた。


―――君に出会うまでは。


君に出会って。

一緒に時を生きたい、と思った。
君と一緒に歳を重ねたい、と思った。
君を取り巻く風景にはなりたくない、と思った。

置いて行かれたくない、と思った。



止まっていた時が動き出した。



俺を、置いてけぼりの俺を理解してくれてありがとう。
手を差し伸べてくれてありがとう。
信じて待っていてくれてありがとう。

先にいっている、と。
待っていてくれる約束をくれて、ありがとう。

子供たちは君の真っ直ぐな瞳を受け継いで、前へ、時を刻んで、進んでいる。

俺は道標になれるだろうか。
君が俺と子供たちにたくさんの愛情を惜しみなく与えてくれたように。
先に立って、背中を見せられるだろうか。
花が咲き、やがて朽ちて、でもまた花を付ける、そんな力強さがあると言う事を教えられるだろうか。
自然の理を守れる者が、強く生き抜いて行ける、と言う事を教えられるだろうか。


今度は置いて行かれないように。
精一杯の気持ちを、想いを。
子供たちに置いて、いけるように。


あぁ、そうだ。
家族写真も撮り直してからいかないと。
今度は笑って撮れる気がするよ。
・・・エドワードに怒られなければ。
でもアルフォンスが苦笑してお兄ちゃんを宥めてくれるだろう。


君の子供たちは、優しい子に育っているよ。
俺の子供たちは、大きく逞しく育っているよ。

宝物を、ありがとう。


きっともう心配はいらない。

君の所へ、信じてくれた君のところへ、約束を守りにいくよ。



トリシャ、君に出会って俺は変わった。


何も感じない風景の一部だった俺が、
子供たちを繰り返し見守れるそんな風景になれるのなら、悪くないと思えるようになったんだ。

君と2人で、子供たちを包む風景になれたら良いね。


繰り返す季節の彩りのように。
子供たちを包んで、4人で時を刻めたら良いね。


















2009/04/29絵日記

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パパ独白。

2009/09/21