★★★

 

If〜パパとの対面。


「ったくいつも良いタイミングでしゃしゃり出てきやがって」
まるで童話の王子のように人のピンチを察して助けに来るだなんて出来すぎている。
「嬉しい癖に」
「誰が!」
ニヤニヤと笑って近付いてくる男を押しのける。
「んだよその顔!気持ち悪ぃーな!」
「その顔が好きな癖に」
「はぁ?!」
「素直になりたまえよ」
「なに言って・・・」
「あのー・・・・・・」
何処までも揚げ足を取り続ける男に反論仕掛けたら、場にそぐわない間延びした声が割り込んで来た。
「んだよ!!」
「こちらはどちら様かな? エドワード」
興味深そうな様子でホーエンハイムが寄ってきた。
「テメェに関係ないだろ?!」
「関係なくは無いだろう。それにテメェ呼ばわりは寂しいなぁ」
「くっつくな!」
冷たくされると泣いちゃうよ?と擦りよるオヤジにシッシッと払う。
「・・・そちらはどちら様かな? はが・・・エドワード?」
「うぇっ?」
ホーエンハイムに気を取られている間、しばらく黙っていた男に普段呼ばれない名前を急に呼ばれてビックリして振り返った。
「あ、アンタ、何、名前で呼んでんだ?!」
「随分親密そうだ。紹介してくれないかな? エドワード」
微かに不機嫌オーラを纏わせながらロイも近付いて来た。
何で不機嫌なんだ。
「〜〜、紹介するほどじゃねぇし!」
父親だ、などとまだ言いたくないし、そもそも密かな恋人を父親にどう紹介しろってんだ、と思う。
とか何とか考えていたら、分かりやすくホーエンハイムの眉毛が下がった。
「エドワード、お前と俺の仲でそれは酷くないか?」
「どんな仲だよ!っつかだからくっつくなっての!」
「冷たいなぁ。いつからそんな風になってしまったんだ。昔はもっと可愛かったのに」
「昔は昔だ! 忘れろ!」
そんな幼少のみぎりの話を出されても辛い。ションボリとするメガネオヤジに怒鳴る。
「忘れられる訳ないじゃないか。ベッドで寝てるのを良く眺めたもんだ・・・」
「寝てる時の不可抗力時の話を出すんじゃねー!」
「鋼の」
再び寄ってきたオヤジを押しのけると青筋を立てたロイが低い声を出した。
「あー、もううるせぇな! 何だよ!」
「ん?鋼のと呼ぶと言うことは軍の人かな?」
「国軍大佐ロイ・マスタングです。焔の2つ名も持っています」
何かに気付いたように言うオヤジに、ロイはいつも以上に恰好つけて言う。
珍しく敬語を使ったのは一応クソオヤジが年上に見えたからだろう。
「何を偉そうに・・・」
「実際偉い」
「あぁ! 君がマスタング大佐か」
ポンと手を打ったオヤジがノホホンとと言う。
「いかにも」
「いつもエドワードがお世話になっています」
「世話になってねぇよ」
オヤジに突っ込むが何故かロイに遮られた。
「いえいえ。彼には大丈夫だと言われるんですが危なっかしくて目が離せなくてついつい手を出してしまって」
「オイコラ何言ってんだ」
「あぁ昔から落ち着きない子でね。やはり迷惑を掛けているようだね。申し訳ない」
「いえ私も彼の事を小さい頃から知っていますが、元気な子で。でもそれが彼の良いところと言うか」
「まぁ確かに元気な子だね」
「ずっと見守ろうと思っています」
だからお前の割り込む隙は無いと言うような男に
「あ、アンタ何言ってんだ・・・」
この男が何か勘違いしている事に気付いた。
「それはとてもありがたいね」
「えぇ、ですから私に任せて、」
グイと肩を引いて来る男に。
「息子を宜しくお願いします」
空気の読めないオヤジはノホホンと笑って言った。
「彼は責任持って幸せに・・・・・・・・・息、子?」
「エドワードとアルフォンスがお世話になりました」
「・・・・・・エドワードとアルフォンス・・・?」
「・・・大佐、コイツ俺のオヤジ」
固まった男に、正体を解説した。
「君の、父親・・・?」
「そう」
「・・・・・・・・・」
「おーい?」
無言のまま微動だにしない男をつつく。
「・・・・・・・・・てっきり、君の・・・・・・・・・年上が好きなのかと・・・」
「アホ言ってんじゃねぇ!」
有り得ない発想にプルリと震えた。
「エドワード?何だかマスタング大佐が固まっているようだが?」
「あー放っておいて良いよ」
「お父さん!」
不思議そうにしているオヤジに放っておけとその場を去ろうとしたら急に男が覚醒した。
が、言っているセリフが頂けない。
「おま、何言ってんだ!」
「お父さん! 先ほどは失礼の数々お許し下さい」
「え? あ、うん」
「あぁ良く見たらその金髪、金の瞳、息子さんとソックリですね!」
「あー、うん。そうかな?」
「おいこら無能! テメェ何言ってんだ! クソオヤジも照れてんじゃねぇ!」
「息子さんとは長い付き合いをさせて頂こうと思ってます。ひいてはお父さんともこれから長い付き合いになると思いますので今後とも宜しくお願い致します!」
「俺に似て不束な息子ですが、宜しく」
「勿論です!」
「ちょっと待て! テメエに似てて堪るか! って言うか、何勝手に話進めてんだ!」 人を置いて勝手に嫁入りみたいな話をする2人にストップを掛けるが、止まらない。
「いやぁエドワード、マスタング君良い人だね! 俺達似てるって!」
「そんな理由で判断すんな!」
「いやぁ鋼の。直ぐに認めてくれたし、君の父上は良い方だな!今後深い話が出来そうだ」
「しなくて良い!」




「今敵の本拠地に乗り込み中なの分かっているのかしら・・・」
「・・・・・・さぁな」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ三人にその場に居た者達は温い視線を送っていた。


2009/11/24携帯日記

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「もしパパが皆と別れず一緒に居たら」なネタをしてみました(笑)。

2010/05/17