★  とある日常のヒトコマ。 ★


* ほぐす*


「先生〜、錬兵場でハボック少尉が・・・」
ヒョコリと医務室を覗くと、普段見ない人物がいた。
「・・・アンタ何してんの?」
そこには、医務室のベッドに横たわり、指圧を受けている上官が。
「おや、エド。ハボックのバカがどうしたかの?」
年老いた、でも力強い印象の軍医が振り返った。
「あ、うん。組手の途中ですっ転んだ下士官庇って、柵にダイブしちゃったんだけどさ」
くい、と外を指差して、先程起こった顛末を報告する。
「あのバカは良く怪我するのぅ」
やれやれまたか、と溜息をついた。
「ところで、何やってんの?」
こんどは室内を指差して、謎の光景について問う。
話している間も、指は忙しなく上官の背中を押していた。
「やぁ、鋼の」
うつぶせのせいか、ややくぐもった声が聞こえてきた。
「そろそろ良いかの」
「あぁ、軍医、ありがとう」
コキコキと首と腕を回しながら、気持ちよかった、と感想を述べた。
「徹夜とオーバーワークも程々にな。まったく」
「軍医の素晴らしい指圧があると思うと、ついつい、ね」
「まったく口ばかり調子の良い」
笑って起き上がる男に冷たい目をしつつ、年老いた軍医には息子も同然なのか、言葉の中には心配が見て取れた。
「さて、ワンコは何処じゃって?」
「え? あぁ、錬兵場のサウスコア水飲み場に今は居ると思う」
急に話を振られて、自分がこちらに来る時に弟が大きい身体を支えて連れて行っていた場所を告げる。
「怪我は?」
「一応確認した限りはしてないと思うけど・・・。ちょっと頭打ってフラフラしてた」
「またバカにならんと良いがの」
「全くだな」
隣から同意するロイに、オマエさんも人の事言えないじゃろ、と言われ渋面を作った。




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2008年9月28日Comic City SPARK3
ROYxEDO EXPO発行。

短編集。
4〜6Pのショートショートを6本収録。
上記は「ほぐす」より抜粋。
このお話では若干増田さんが犯罪者入ってますが(笑)、
エロスは無いです(笑)。
表紙の増田さんがアップ過ぎて、描いた本人すらドン引きです(あ)。

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