★  CANDY ★




 ―――口論のきっかけは、思い出せないような、些細な事だった。

「知った事かよ、クソ大佐!」
「君はどうしていつもそうなんだ!」
 東方司令部の司令官執務室から、司令部の面々としては悲しい事に聞き慣れてしまった二人分の怒号が響く。
「誰かさんのお手本が良いからじゃないですかー?!」
 口論の片方、最年少国家錬金術師のエドワード・エルリックが一応上官である男を半笑いで見遣る。
「全く。ナリも小さいと思ったが、考え方までお子様だったとはな。最年少国家錬金術師が聞いて呆れる…あぁ、最小国家錬金術師だったか」
 もう片方、東方司令部実質司令官、焔の錬金術師の銘を持つロイ・マスタングがわざとらしく手を打った。
「…テンメェ、人が大人しくしてやってたら」
「君のどこが大人しいのかね。あぁ、普段が暴れすぎだからこれでも大人しいのか。小さい君の小さな違いが小さ過ぎるばっかりに分からなかったよ」
 禁句を並び立てられ、こめかみをピクリとさせたエドワードに、ロイがははは、と胡散臭い顔で笑う。
「〜〜〜もう許さねぇ! 誰がアンタの細い目にも捉えきれない位のチビかってんだ!」
 エドワードがソファに足を掛けて錬成の体勢を取った。
「ちょ、君ね! 室内で錬成は止めないか!」
 さすがに執務室をめちゃくちゃにしたら副官に怒られてしまうのでロイがストップを掛けようと慌てる。しかし残念ながら彼の錬成の方が少し早かった。
「問答無用!」
 パァン!
 ロイの制止の声を無視して、エドワードの錬成の音が執務室に響き渡った。
 それから。
「なぁぁぁ!?」
 エドワードの絶叫も響き渡った。




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2010年10月10日 C.C.SPARK5 発行。

仔エドプチオンリー合わせの合同誌に参加させて頂きました。
参加サークルは「煌」「epsilon」「雷華」「きら☆ばく」「triple star」です(敬称略・順不同)。
当サークル作成部分より抜粋。
小説4本、漫画1本の構成になっております。

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