★ シャンパントパーズ ★
▼”シャンパントパーズ”より一部抜粋。
いつものこの時期。
丁度、イシュヴァール戦で国家錬金術師が投入された時節。
7年も続いた内戦さえ、あっと言う間に片が付いた、即ち終戦間際。
国家錬金術師・焔の錬金術師として、最初の仕事。
焔を司る身としては雨の日が苦手な筈なのに。
この時期の、晴れた太陽の色が苦手だった。
黄金の光を降り注ぐ太陽。
その、色彩は、焔の色を、全てを焼き尽くした色を思い出して。
こんな日の夜は、決まって夢に一面の焼け野原が出て来る。
黒い焼け野原。
天まで届く赤い空。
それを作り出した己の指先。
黄金色の、焔。
「っ、」
気付くと、ペンは止まっていた。
「・・・」
紙面をぼんやりと見ると、書き掛けで思考に陥っていたのか、白い書面にインクの黒い染みが出来ていた。
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▼”インディゴブラック”より一部抜粋。
「どうかした?」
首を傾げて聞いて来る弟から、カションと言う金属音が響く。ぎゅ、と右手を握り締めた。
「何が?」
「何か・・・、ううん、何でもない。夜更かししてないで早く寝ないと育たないよ」
笑って弟に尋ねると、アルフォンスは何かもの言いたげな雰囲気を一瞬感じさせたが、首を振った。
「うっせぇ」
「ほら、お休み」
「あぁ、お休み」
眠れない弟は、おやすみと声を掛けて。
眠る兄に気を遣って別に取った隣室へと消えて行った。
バタン、と閉じられた扉はたちまち深い闇を連れて来る。 黒い黒い闇。
眠ると、ゆめを見る。
ゆめを見たくなくて、読書を理由に夜更かしをして。
寝不足が祟って、身体は強い睡魔を連れて来るけれど。
それに抗って。
抗うと、黒い記憶を引き連れて来る。
なんて効率の悪い連鎖なのだろう。
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▼”レインボーハッピー”より一部抜粋。
「良いじゃないか男のロマンだ。『夜の相手』と言うカードは禁止にされたからな。それ位良いじゃないか」
一方ロイは、ハッハッハとそれはムカつく位爽やかな笑みを浮かべてエドワードの肩を叩いた。
「・・・アンタ、自分が引いたらやる気だったのか・・・?」
その手を振り払い、エドワードは地の底のような低い声で問いかける。
Yシャツ一枚(下着なし)のロイ・マスタング。
―――見たくない。
「絶対引かない念を込めた」
念は強いんだと無駄に胸を張る35歳。
「怨念かよ・・・」
「失敬な。強運と言ってくれ」
「―――待て。じゃあ昨日の女装はそんなに嫌じゃなかったってか・・・?」
「今日のリクエストはどうしても見たかったからな」
女装など瑣末な事だ、と大真面目に言う男に、とエドワードは一瞬ガクリと項垂れたが立ち直り。
「だったら仕事もそれ位真剣にやれよ!」
「仕事の話は今ここで持ち出すな」
いつになってもサボリ癖のあるロイにビシリと言うと、男は嫌な顔をした。
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2009年05月31日RE:520発行予定。
ロイの章「シャンパントパーズ」
エドの章「インディゴブラック」
二人の章「レインボーハッピー」
の、三部構成です。
ちょっと抜粋箇所に悩む話で、サンプル微妙ですみません。
イシュヴァールの夢を見るロイ、錬成失敗の夢を見るエドが夢から脱出する術を知る、ややシリアスちっくなお話から始まりますが、未来の二人の章はサンプル通りのただのバカップル話です(笑)。520センズの約束話も出て来ます。