★  ALICE ★




「何かみんな忙しそうじゃねぇ?」
「そうだね」
「あら、エドワード君、アルフォンス君久しぶりね
」 「中尉! こんちは」
「こんにちは」
 司令室に向かう途中、ホークアイに出会った。いつも涼やかな美貌を柔らかく崩して笑いかけて来た。
「ねぇ、何か忙しそうだけど何か事件でもあったの?」  ハロウィン祭も気になるが、事件があったとしたらそちらの方が気になる。ここの事はもしかしたら司令官より知っていそうな副官に聞いてみる事にした。
「いえ事件では無いから大丈夫よ。ちょっと祭事準備があってそれに追われているの
」  ニコリと笑って、ホークアイは手短に現状を説明してくれた。
「準備?」
「今度のイーストシティのハロウィン祭、軍部で企画をする事になったのよ。それでちょっと慌ただしくて」
「ポスターのですか?」
「えぇ」
これね、と構内にも貼られていたポスターを手で示した。聞こうと思っていた事が先に分かり、ついでとばかりにエドワードは内容も尋ねてみる。
「それって何すんの?」 「ハロウィンと言えば仮装でしょう? だから仮装の…」
「やぁ鋼の」
 ホークアイが説明をしようとした所で、後ろからいけ好かない声が掛かった。
「げ。大佐」
声を裏切らず、そこに立っていたのは実質ここの司令官であるロイ・マスタングであった。司令官でもあり、大佐でもあり、焔の錬金術師でもあり、それから自分の後見人でもある。何となくウマが合わないと言うか何と言うか、複雑な感情の沸く相手である。
「げ、とはご挨拶だな」
「大佐と違って嘘が付けないから思わず本音が出たんだよ」
「そうかそうか。天の邪鬼な君からの本音と言うことなら会えて嬉しいと言うことか」
こちらの嫌そうな顔をモノともせず、ロイはひたすら胡散臭い笑みを浮かべてハハハハと笑いながら頷いた。
「違う! ってくっつくな!」
「まぁまぁ。やぁアルフォンス。元気かね?
」 「はぁ。おかげさまで」
 騒ぐエドワードを、兄曰く胡散臭い笑顔で抱き込んだまま、ロイがにこやかに挨拶する。ロイに構われ(兄はからわれていると思っている)キーキー騒ぐ兄は、とりあえず放置する事にした。
「あのー、何かハロウィンの企画があるって、中尉から教えて貰ったんですが」
「あぁ。『アリス企画』か」
アルフォンスが気になっていた話の続きを質問すると、司令官は気付いたように顎に手をやった。





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2011年10月SPARK6発行予定。

2009年10月12日のオンリーイベントで少部数発行したハロウィン本の再録です。
本編加筆+当時オマケで出した本編後日談SSに加筆+
web掲載後日談SSに加筆+書下ろし、という
中途半端な再録本ですみません…_| ̄|○

ロイがちょっと不思議ちゃん?かも。
馴れ初め話と言うか、うっかりくっついていたお話?

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