★ Parvus Regina ★
・・・ 1 ・・・
「大佐、お茶」
「大佐、あの本取り寄せて」
「大佐、メシ買って来て」
東方司令部司令官執務室にて、ふんぞり返ってここの司令官ロイ・マスタングにモノを言う人物。
最年少国家錬金術師と名高い鋼の錬金術師こと、エドワード・エルリックだ。
ものを言われた方は、不快な表情を浮かべる事なく次々と言われたことを叶えている。こころなしか嬉しそうでもある。仮にもここのトップであるロイに、こんな物言いをされる事は本来は許される筈もないが、周りの軍人はいつもの事、と気にした様子もない。面白そうに見る者、いつもの事だとスルーする者、軽蔑の眼差しを送る者。
それも、理由が分かっているからに他ならない。
その、理由とは。
―――ロイ・マスタングはエドワード・エルリックにベタ惚れである。
エドワードを追いかけて。司令部の中で告白したのはほぼ全員が知っている事であった。そしてその時の様子も、大声過ぎて大体の人間が知っている。
『鋼の! 好きなんだ、付き合ってくれ!』
『アンタ頭大丈夫か?!』
『至って正常だとも』
『正常の定義を見直して来い! この無能!』
と、にべもなく断られて居た。
そりゃそうだろう、と軍社会に置いて上官の言葉は絶対と言えど、この時ばかりは残念ながらロイに賛同出来る者は居なかった。
だが、腐っても若くして大佐に上り詰めた男。告白した後も目的に向かって、それはもうしつこい位に彼の少年に猛アプローチし続けた。更に無駄に上官権限で少年がイーストシティに入ったら速報で執務室に知らせるように、なんていう伝令も出た。なので、下士官に至るまで知りたく無いのに知ってしまったのである。
そして。
毎回のしつこさに終にエドワードが根負けして、「わーったよ、仕方ねぇから付き合ってやるよ! 付き合うだけだからな! 余計な事するんじゃねぇぞ! オレの言う事聞けよ!」と、怒鳴り返した時は、軍の狗の名の通り、飼い主に久しぶりに会った犬さながらの勢いでロイはエドワードに飛びついた(そして、殴り倒された)。
+++++++++++++++++++++++++++
2009年01月25日C.C東京125発行予定。
ロイがエドに追い掛ける話、と言いつつ、余り追い掛ける描写がなかった、と今気付きました(ヲイ)。
ロイの好意を逆手に取って酸き放題するエドが段々自分の気持ちに気付いていくけど、その頃にはロイの隣には女性が居て・・・。
当社比兄さんがタカビーで増田さんが情けないです。