★ Slow and Steady ★
―――晴天の霹靂。
とはこう言う事を言うのだろうか、とロイは思った。
「・・・今、何と言った?」
「アンタが好きだ」
目の前の子供に、確認するように問うと、先程聞いた言葉が幻聴では無かった、と言う事が分かった。
「・・・何かの罰ゲームかね?」
この生意気な、大人顔負けの頭脳を持ちプライド高くふてぶてしいこの子供が。あの、エドワード・エルリックが。
まさかロイ・マスタングを好きだと。
罰ゲーム以外考えられない、とロイは些か脱力感を感じながら相手を眺めた。
が。
「罰ゲームなんかじゃねぇよ」
「なら冗談か? 今日はエイプリルフールでは無かったと思ったが」
いくらなんでも、ありえないだろう。
それしか浮かばない。
いつもの彼との応酬を思い起こすに、それらしい風を装って後で笑い出すのではないだろうか、と子供を見遣ると。
「冗談なんかじゃない。本気だ」
「・・・」
意思の強い金の瞳は怯む事無く、こちらを見据えた。その稀有な金瞳は気に入っているし、彼の潔さや強さが表れるのが好きだ。
しかしだからこそ、その瞳を見て本気かどうかが分かる。そして自分は相手が本気か嘘か、見破るのが割と得意な方だ。
「―――聞かなかった事にしよう」
「大佐っ!」
静かに告げて目の前の書類に目を落すと、エドワードは机に近寄って掌でバン、と叩いた。
「オレ、本気、」
「だからだよ」
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2009年08月23日SCC関西15 発行。
エドワードに告白されたものの、少年と恋仲なんて考えられないと思うロイ。
考えてくれ、と身の周りにチョロチョロ現れるエドワードに、ロイは諦めさせる方法を考える。
しかし色々と警戒した割にエドワードの態度自体は今までと変わりなくて、
いつしか困らせたいだけだったんだろうと思うようになっていく。
ロイがエドに気持ちが向くまで、少し時間の掛かる感じのお話です。
・・・中々エドに落ちない増田さんは難しい・・・_| ̄|○
そしてもう少し最後の方書き込みたかった・・・(時間切れました・愚)。
ロイ視点の話がメインですが、他、エド視点の少し前の話、その後の話が少し、の3本構成です。
2009年8月30日追記
8月インテにて「Slow and Steady」をお買い上げ下さった方へ。
当方のミスにより、51ページ最後の行から52ページに続く部分・1行分が
サブタイトル柱と被ってしまい読めない(見えない)状態となっておりました。
正しくは下記になります。
「 ニヤリと悪戯っぽく笑う上官の悪友に、結構前に聞いた話が今も続行されている事にまた驚いた。」
大変申し訳ありませんでした。
(次回販売分から訂正メモ差込をさせて頂く予定です。)