★  Wedding Bell 〜Intermisson〜 ★




・・・ Bell : 0
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「不束者ですが、宜しくお願いします!」
「・・・は?」

 そう言って、かつて鋼の錬金術師と呼ばれた人物エドワード
・エルリックは人の家―――ロイ・マスタング家に転がり込ん
で来た。話を聞くと、自分が彼に結婚を決める何かをしたのだ
と言う。全く持って意味が分からない。
 正直に覚えていない旨を告げたら、思い出すまで居座ってや
るとどっかりと腰を据えてしまい、何度追い出そうとしても、
ノラリクラリとかわして来て、奇妙な同居生活(彼に言わせる
と新婚生活)が始まってしまった。


「君ね、いい加減出て行ったらどうだね?」
「伴侶を追い出すのかよ」
 休日のマスタング家。いつも出勤の時間や就寝の時間に負け
て進まない話を、今日こそは!とロイは決意を決めて、休日の
醍醐味・ブランチの後、キッチンで洗い物をしていたエドワー
ドに声を掛けた。ら、そんな返しで。
「伴侶じゃない!と何回言えば気が済むんだ!」
「大佐、じゃなかった准将が思い出すまでって言ったじゃん。
まぁもっとも思い出したら責任取らなくちゃならない事も思い
出すだろうから、どっちにしてもオレはここにいるけど」
 どうせまだ思い出せてないんだろ?と、エドワードは慣れた
手付きで薬缶に水を入れてコンロにかけた。
「そう、だが。いや、君ね。折角旅も終えたのだから、こんな
所に居ないで少しは歳相応に学校に行ってみるだとか、思い切
り遊んでみるだとか、」
「准将、コーヒーと紅茶どっちが良い?」
「あ、あぁコーヒー・・・、じゃなくて!」
 今日は歳相応の魅力ポイントで攻めてみようと思ったら、ア
ッサリ話が違う事になった。
「まぁまぁ立ち話もなんだから、お茶でもしようぜ。あんたは
ソファで座って待ってな」
 シッシッと手を振られて、確かに話が長くなるならコーヒー
の一杯もあって良いかもしれない、とリビングに向かった。
「ほい、コーヒー」
「・・・ありがとう」
 コーヒーを淹れてくれた事に対しては礼を言う。前に「アン
タ変な所で律儀だよな」とエドワードに言われたが、結婚云々
で口論しているのと、一般的な行動に対して感謝する事とは話
は別だと思っている。
 頂いたコーヒーは一先ず置いて(猫舌なのだ)、
「で、だ。私は君と結婚する気は」
「あ、後、これ試しに作ってみたんだ」
 向かいのソファに座ったエドワードに先程の続きをしようと
したら、またすぐに話の腰を折られた。




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2010年08月22日 S.C.C関西16発行。

少し未来設定の結婚ネタ。本編は少しだけ本誌最終回ネタバレが含まれます。
※こちらは、準備号と言うか幕間的なお話になります。
本編はスパーク〜冬コミ(受かれば)発行予定です。

ロイさんが家の中ではヘタレ全開の、うちのサークルではよくある話です(笑)。
今のところは今回の本は本編に入れない予定です〜。
が、ご意見あれば頂けると幸いです(>_<)

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